新村葉月 個展 1階 10/9-10/20

新村葉月 個展

企画展:一階

会期:2020年10月9日(金)-10月20日(火)

時間:平日15:00-19:00 土日祝13:00-19:00 水木休み 


/


「unpredictable=予測不可能な」

制作活動において日頃から予測不可能な事象を取り扱っていますが、予測できないことやコントロールできないことは日常にも様々に溢れているのだと強く再認識させられた半年間でした。社会、仕事、人生、そしてこの病渦の行く末等々。

予測できなさがわたしに不安感をもたらすとき、現実世界の些細な変化を拾い続ける行為が、自分の存在を確かなものにしてくれると感じています。


/


アトリエ三月では新村葉月個展を開催いたします。2018年1月に開催しアトリエ三月では2年半ぶりの開催となります。

それまでにも多数のグループ展に出展していただきその都度作品は変化を重ねました。

unpredictableとは予測不可能な、という意味であり、それはまさに2020年の今年の状況でしょう。

一見、平面絵画を制作している新村にとってそれがどう作品に影響するのかは分かりかねますが、

街の壁の痕跡などを採取しインスピレーションを受けて制作を続ける新村にとって

街に痕跡を残す原因になるであろう人が街からいなくなるという状況を一体どう捉えたのでしょうか?

そもそも街の壁のようなイメージを絵画として落とし込む表面的なイメージは

もしかすると私たちが一切街に出歩けなくなった時、室内で鑑賞できる唯一の壁と捉えることもできるのか?

私はもう数年の付き合いの中で「都市の壁のイメージを採取した作品」だと当たり前に捉えていますが

100年前にこのような壁はどの都市にも存在せず、新村が選び取ったイメージ

(ステンシルで描かれたグラフィティ・コーキング剤の意図せず浮かび上がる模様・文字のフォント・ガムテープの種類・団地によく見られる弾性塗料の質感)

なども100年後の未来には恐らく存在しないイメージでしょう。

unpredictable「予測不可能な」Xとはもしかすると将来私たちは世界的なウィルス蔓延により一歩も外に出られなくなった後に

唯一外界のことを想起できるのが彼女の作品であり、もしかすると新村がそうしたことをpredic「予言」しこうした作品を制作しているのではないか

などと夢想しながら最新作を眺めてその鋭さにニヤつきが止まりませんでした。

ただの抽象絵画としてでは回収しきれない新村の作品は分かり易さと分かりにくさ、狙いと衒い、更に鉄板に描かれたイメージという時間軸の介入により

作品の表面が変化するという要素が特徴です。

サビが進行して初めて垣間見える下地の際に施した痕跡が半年数年経って見えてくることもあります。

この機会に是非ごゆっくりご高覧ください。


アトリエ三月

原康浩


/


新村葉月


2013年頃より作家活動を開始。

大阪教育大学大学院 芸術文化専攻卒。

---

街では様々な事象が目まぐるしく移り変わる。

社会の変化に引きずられて、個人のライフスタイルや感情までも急激に変化していく。

わたしは移り変わる風景を拾い集め、真正面から見つめることから、表現を展開したいと考えている。

「今ここ」で起こっていること、自分の感情、その他様々な事象を直視し変化を認識すること。

そこから得られる新たな見地があるように思う。

---

街の変化や人々の感情を静かに受け止めている「壁」に着目し、ライフワークとして街の壁の観察を行っている。

壁の表面で展開される、自然環境や人々の行為によって生み出される無意識のリズム、コンポジション、色彩などをモチーフとし、錆びさせた鉄板を支持体として作品を制作している。

- 展覧会歴 -

2013年

 グループ展「やまのこ」(パライソギャラリー/大阪)

2014年

 修士制作展「杉崎里沙子・新村葉月 二人展」(ホルベインギャラリー/大阪)

2015年

 企画展「151人展」(ギャラリーそら/大阪)

 企画展「あかマルシェ2015」(中之島公園/大阪)【MU東心斎橋画廊賞】

2016年

 企画展「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)

 初個展「痕跡ーTracesー」(MU東心斎橋画廊/大阪)

 企画展「第9回 協同企画展 おんさ」(la galerie/大阪)

 企画展「あかマルシェ2016」(中之島公園/大阪)【アトリエ三月賞】

2017年

 企画展「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)

 グループ展「形/form」(アトリエ三月/大阪)

 「artstream2017」(大丸心斎橋店北館14階イベントホール&大丸心斎橋劇場/大阪)【FM802/digmeout賞】

2018年

 個展「都市に生きる」(アトリエ三月/大阪)

 企画展「風雅10周年記念展」(ギャラリー風雅/大阪)

 企画展「Showcase -The selection-」(アトリエ三月/大阪)

 企画展「Only One Exhibition」(Gallery Blau Katze/大阪)

2019年

 企画展「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)  

 「第1回大阪アンデパンダン展」(会場:gekilin./大阪)

 個展「揺れる断片」(芝田町画廊/大阪)

​ グループ展「Leaves」(galerie16/京都)

 コンペ「art start up 100」(代官山ヒルサイドフォーラムF棟/東京)




アトリエ三月

大阪梅田 中崎町にあるギャラリー。アーティストランスペース兼酒場。画家の原康浩が運営しています。現代美術、絵画、イラストレーション、立体表現、アウトサイダーアートなど幅広いジャンルの表現を発信します。

0コメント

  • 1000 / 1000